それでも君と、はじめての恋を
「が、頑張るから」
巻髪を指に巻きつけながらボソッと言うと、葵は覗いていた鏡を閉じて鼻で笑った。
「ああ、放課後ね」
「放課後の何がダメなの!?」
「渉ぅ、怒るとシワが増えるぞぉ」
お前は貰うだけだから、そら楽だろうよ!
すでに貰ったチョコの何個かを食べている純。葵の鞄の中にはきっと、彼氏の七尋くんへの手作りチョコ。
……あたしだって、ちゃんと渡すんだから。
葵と同じように手作りのチョコを、純と同じように食べてもらう。
昨日、ほんとにあたしの気持ちが伝わったかは分からない。
でも伝わったと、信じてる。
信じてるから、もう一度想いを伝えるんだ。
甘いチョコに乗せた、キラキラした想いと一緒に。
もう一度、モモが好きって言うの。