それでも君と、はじめての恋を




あっという間に授業は終わって、帰りのHRが始まる。ガタガタと席に着く中、純が椅子の上でヤンキー座りをしながら手を上げた。


「安部ちゃ~ん! 誰かにチョコもらったぁ?」

「あ、保護者プリント持ってくんの忘れた」

「貰ってねぇぞあの様子だと!」

そう男子が口にすると、「上等だコラァ!」と安部ちゃんは急に怒る。


壁にもたれて鏡でメイクをチェックをしてるあたしの横で、「担任まじドンマイ」と言ってる葵に声を出して笑った。


保護者プリントを忘れたらしい安部ちゃんが「帰んなよ!」と言い放って教室を出ると、休み時間みたいにざわつく教室。


「安部ちゃん超ウケんだけどっ!」

「まぁオレらも貰ってねぇけどなー」

「早くしてくんないと、帰っちゃうんですけど!」

「お前誰に渡すんだよー」


クラスメイトの会話に鏡を閉じて、あたしは葵の席に頬杖をつく。


「うちのクラスって基本仲良いよね」

「悪いよりか、いんじゃん?」

まぁ、そうだよね。

「ん、せんぱ~い」


純があたしと葵の後ろを見て手を振り、見ると、冬休み明けに「ガチで死ね!」と純に暴言を残していった先輩が廊下に立っていた。
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