それでも君と、はじめての恋を


何だろう……今、メールしてくれれば分かるんだけど。


そう伝える為に自分の携帯を見せると、モモは眉を寄せる。


ていうか、ほんと何しに来たんだろう……。


まさか、返事?


不安と期待が入り混じって、ただモモを見上げることしか出来ない自分がもどかしい。


モモは一度俯いて、多分、溜め息をついて。あたしは早く安部ちゃんの話が終わらないかと教壇を見る。


「……えっ」

――え?


クラスメイトの小さな声に、再び視線をモモに移す。だけどそれはすぐに、下へ横へと移っていく。


「……モモ……」


あたしは思わず名前を呼んで、俯いていたモモが顔を上げる。


眉を寄せて、口を噤んで、少し頬を染めたモモの顔に涙腺が緩んだ。


瞬間、ワッ!と衝撃のような歓声が教室中に響く。


「は!? 何! 何だ、どうしたお前ら!」

「「「ぎゃー!! 渉ぅううっ!」」」


驚く安部ちゃんと、意味が分かってないクラスメイトは完全に置いてきぼりだけど、様子を見ていたらしいクラスメイトは立ち上がり、純と葵は笑顔を浮かべていた。


あたしはみんなから目を離して、再びモモを見上げる。
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