それでも君と、はじめての恋を
「いない!!」
「あっはは! 恥ずかしくて逃げたんだよ~。案外似た者同士かもねぇ」
「ほら渉、カバン持って。担任、早く終わらせて」
「何だ、何があったんだお前ら!」
「「「渉ーーっ!!」」」
「ちょ、早く追い掛けなって!」
「つうか今のマジで桃井 寶!?」
騒ぐクラスメイトに、カバンを押しつけて来る葵に、写メっとくと笑う純に、あたしは満面の笑みを見せる。
「安部ちゃん! 先に帰るね!」
「はあ!? ちょ、おい!」
教室を飛び出して、コートも着ずに廊下を走り出す。
目に焼き付いた光景を、頭の中で何度も思い出して。ピンク色の髪を視界にとらえて、さらに加速した。
無口で無愛想で、飾り気のないモモらしい素直な言葉。
曇った窓ガラスに綴られた、モモの想い。
“ オレも
スキ ”