それでも君と、はじめての恋を
「……何で」
無表情に戻って、少し困ったような声色。それでもあたしは腕を離さず、モモが立ち上がることを阻んだ。
「……濡れるけど、冷たくないの?」
いいよ、今はそんなこと。
ちらつく雪も、地面の雪も。
濡れても、冷たくても。
他のことより、あたしを見てよ。
「モモが好き」
放課後の夕暮れ。陽が落ちるさなか、空はオレンジ色に染まり、校舎に影を落とす。
モモのピンク色の髪が陽の光を吸い込んで、キラキラと輝いていた。
「……好き。大好き。本当に好き!」
伝えたい、伝えたい。
もっと、たくさん、目一杯。
あたしはモモに、恋してるってこと。
「ピンクの髪も、頬杖つくと思ったら首に手を当てる癖も、香水の匂いも、文字だけのメールも。困った顔とか、ちょっと怒った顔とか、たまにしか見れない笑った顔も、全部好き!」
「や、あの、ちょっと……」
「超好き!」
「だから……」
諦めたのか長い溜め息をついて、大きな手で顔を覆うモモの腕を揺らす。
「何」と顔を覆ったまま言うモモに、深く息を吸った。