それでも君と、はじめての恋を


「あたしと付き合って」

「……」


何秒かしてからモモは顔を覆っていた手を口元にずらして、あたしを瞳に映した。


眉間に皺を寄せて、目つきの悪い瞳であたしを見つめるそれは、睨んでるみたいだけど。


あたしは息をのむ。

まるで、あの日初めて出逢った時。


無表情だと言われていたモモの困った顔を見た時みたいに、奥底からジワジワと何かが溢れだす感覚。


初めて見るモモの表情に、胸が、湧き上がる興味に震えた。



「顔、赤いよ?」

「……ほんと、勘弁して」


真っ赤な顔をして口元を抑えるモモなんて、あたしにしか見れないでしょ?


ねぇモモ、もっと色んな君が見たいよ。



「超真っ赤ーっ!」

「うるさいうるさい」


ケラケラと笑うあたしに顔を見られたくないのか、モモは立てた膝に額をくっ付ける。


クックッと漏れる笑いに口を抑えると、モモの髪がサラリと揺れた。
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