それでも君と、はじめての恋を


歩き出したモモの横顔を遠慮なしにジーッと見上げると、多分気付いてるんだろう。困ってるような、緊張してるような、そんな表情。


「……げほっ、んん」

「……風邪?」


いえ、ニヤけただけです。


咳払いでは誤魔化しきれなかったらしく、あたしを見る瞳がわずかに開く。


何でニヤけてんの?

そう言いたげなモモに、あたしはもう遠慮なく口の端をあげた。


「だって、モモが可愛い」


ニヤニヤするあたしとは違い、モモは自分のどこが可愛いのか分からないらしく、眉を寄せる。


モモの頬はもう、赤くなかった。


「渉でしょ、それ」

「ああ、あたし……はっ!?」


立ち止まって、大声を出したあたしにビクッと肩を揺らすモモ。


……今、何て言った? 渉って言った? 渉って声に出して呼んだの初めてじゃない?


ていうか、「渉でしょ、それ」って……何ソレ鼻血出そう!!


「もう1回言って!」

「!?」

「渉って呼んで! てか、可愛いって言った!?」


ズイッと詰め寄ると、モモは頭に「!?」をいっぱい浮かべて戸惑ってる。
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