それでも君と、はじめての恋を
*
「あの画像、出回ってるらしいよ」
あれから1週間、あたしとモモの公開告白は全校生徒が知ることとなり、色んな噂が飛び交っている。
あたしは“あの暴君、桃井寶を手なずけた最強ギャル”とか。
モモは“あの経験豊富ギャル、矢吹渉を仕留めた野獣”とか。
どれも、アホか!と突っ込みたくなるようなものばかりだったけど。
「画像って、あの窓ガラスの?」
モモが窓ガラスに綴った告白画像が、1番話題を占めていた。
「ウチのクラスの奴ら、みーんな写メってたからね」
「他校にも出回ってるらしいよぉ~?」
「今更登校してくんな」
5時間目が終わった休み時間、登校するなり会話に参加してきた純に葵が毒づいた。
他校って何だろうと思ってると、純はさすがチャラ男的情報を口にする。
「昨日一緒に遊んでた他校の子たちにさぁ、画像持ってる?って超聞かれたも~ん」
子たちって何だ、たちって。
「あの画像を持ってると両想いになれる! ……なぁ~んて。好きだよねぇ、女の子ってそういうの」
純は携帯を開いて、多分その画像を見てる。
モモがあたしに告白した場面が形に残るってのも、不思議だよなぁ。