それでも君と、はじめての恋を
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林間学校2日目の今日は、午前中に班ごとの自由行動――とは名ばかりの、事前に用意され選択しておいた体験学習を終えて、昼食を取り終えたところ。
午後はウォークラリー。
残念ながら配られたコースマップに沿って歩き、途中で与えられた課題を解決しながら進んでいくようなゲームじゃないらしい。
ただ黙々と歩き自然を楽しみながらコース中の動植物を愛でろという、何ともやる気に欠ける予定を立ててくれた教師たち。
生徒はもちろん、やる気のない目でその説明を聞いていた。
「はー。もう歩きたくない」
「てか、行きと帰りの道が同じってどうなの」
ちょうど折り返し地点にあった森林公園らしき場所に、木材で出来たテーブルを挟むように設置された2つのベンチ。
そこに腰掛けるのはあたしと葵と同室でもあり同じ班でもある、4人の女子。
3人ずつ別れてテーブルを挟むあたしたちは、まるで教室にいるかのように飲み物とお菓子を前に話し込んでいた。
「楽しく解ける問題も出されないし、ゴールの時間競うわけでもないしねぇ」
「ここでハンコもらえばあとは来た道戻るだけーって、ふざけてるよね」
あたしと葵に続き、ここまで来る途中で何度も話題に出た話を再び繰り返す友達。
周りにも何十人か休んでいる生徒がいて、ゴールするという目的を完全に見失っていた。
むしろ午前中よりもこのウォークラリーの方が自由時間に思えてしょうがない。
各クラス班ごと。なんて関係なしに生徒全員が同時に出発させられて、モモと行動出来るかもと思ったけど出発時の混雑具合でそれは叶わなかった。
きっとモモはひとりでプラプラ歩いてるか、純もしくは森くんにちょっかいを出されてるかもしれないなぁ……。