絶対に振り向かせる
 僕がその女子を近くで見ようと、足を踏み出したときだった。後ろから、肩を軽く叩かれた。
「よお、小野。久しぶりだな」
 その声に、僕は振り返った。
「何だ、七芝か……」
「何だ、とは酷い言い方だな」七芝は微笑した。
 コイツは七芝辰巳。中学からの友人だ。勉強も運動も中の中。苦手な事が無ければ得意な事も無いらしい。
「それで、何かあったのか?」
 七芝は突然聞いてきた。
「何かって?」
 僕は何のことだか分からず、首を傾げた。
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