ロシアンルーレット【コミカルアクション】
「わかった。」


 俺が力なく答えると、兄貴は満足そうに頷き電話を切った。


 俺は窓を開け、窓際に立っているノアに携帯を手渡すとすぐ窓を閉め、そのままベランダに居座った。


 不思議そうに俺を見ているノアに、上着のポケットからタバコを取り出して見せた。


 ノアは、『ああ』というように頷いた。


 1本をくわえ火を点ける。


 どうしようもない胸騒ぎを追い払いたかった。


 ニコチンが欲しかった。


 ふと見ると、一人分の洗濯物がひらひらと風に揺れていた。


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