ロシアンルーレット【コミカルアクション】
 入り口から、スッと誰かが進入する気配を感じた直後、


 プシュッ プシュッ プシュッ


 等間隔で空気が何かにぶつかるような音がした。


 『サイレンサー?!』


 俺は次第に暗闇に慣れつつある目を凝らした。


 俺の正面に座ってた大男を、椅子から引き摺り下ろすように床へ放り、何者かがその椅子にゆったりと腰を沈めた。


 その直後、電気は復旧し、部屋内はたちまち明るさを取り戻した。


 俺の左手と右手にいたヤツは、椅子に座ったまま、こめかみや額を撃ち抜かれ、息絶えていた。


 そして…


 俺の正面に、暴力団幹部に取って代わって座っていたのは…







 10年ぶりに見る、俺の良く知る男だった。








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