ロシアンルーレット【コミカルアクション】
 眩いほどのムラのない銀髪、日本人離れした、明かに西洋人との混血であろう甘く整った美しい顔、細身の身体に黒いタイトスーツを着た男が、微かな笑みをこぼして俺を見ていた。


「あんた、何やってんだよ?!」


 それは、ポーカーをやってただけの男達を躊躇なく殺害したことへの抗議だった。


 この世を乱すクズばかりだったが、俺にとっては良い金づるだった。


 金づるを3人も失うのはキツい…


 それなのに男は、


「お前だけに話があった。」


 と、自分のしたことが、あたかも道理に適っているかのように、全く悪びれることなく言った。


 そして、悪戯っぽく微笑むと、まるで、ちょっとした遊びに誘うかのような軽い口調でこう言った。


「国防省事務次官、『久米沢和馬』一家を暗殺する。

 
 手伝え。」







 その正気とは思えない発言に、俺は束の間言葉を失った。


 男は薄っすら微笑み、俺の返答を、落ち着いた様子でじっと待っている。 





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