現実RPG2
ルイは踵を返すと、再びマーダーを見た。


やはり、倒れたまま動かない。


「……」


じりじりとマーダーに近づくルイ。


多分、まだ息がある。


マーダーが死んだら、ゲームクリアのはずだ。


それなのに、クリア告知がない。


相当ダメージを負っているとは言え、ライトニングで立ち上がったマーダーが、俺のボルガノンで一撃なわけがない。


「……おい」


倒れたマーダーに呼びかけるルイ。


「まだ生きてんのは、知ってんだよ。お前も、終わりだな。そのダメージじゃ、心は読めても避けれねぇだろ」


「……ウフフ。バレてたか」


笑顔を見せるマーダー。


こんなときにも、余裕の表情か。よくわからない奴だ。


「強くなったわね。ルイ」


そのマーダーの言葉に、首を傾げるルイ。


「強くなった……だと?」


マーダーのことは噂には聞いていたが、実際に会ったのは初めてだ。


「俺のこと、知ってるのか?」


「当たり前でしょ。アナタは……私の、息子なんだから」


ドクン。


何故か、心臓が大きな音を立てた。


何、バカなこと言ってやがる。


母は、半年前に組織に殺された。


第一、マーダーは俺と変わらないような年齢だ。


それに、母と顔がまるで違う。


それなのに……このそわそわした感覚は、何なんだ。
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