現実RPG2
ルイは細い路地に入ると、右へ左へ適当に走った。


しばらく走っていると、小さな公園を見つけた。


ここなら、戦えそうか……いや、子どもが二人、ブランコに座っている。


人が居ないところじゃないと……


さらに進むと、廃ビルがあった。


この中なら、人目につかない。


ルイは中へ入ると、剣を構えた。


腕時計を確認するルイ。表示された点は、中央に到達した。


そのとき、ルイの前方から人影が見える。


「ったく、手間掛けさせやがって」


そう呟きながら近づいてくる女。ルカだ。


そのとき、ルイの腕時計から音が鳴る。


ギギギギギ……


「あっ……」


その音に、眉をしかめるルイ。


「今の音……どうやら拓馬、また魔法を使ったみたいね」


そう言って高笑いするルカ。


「畜生!どけ、ルカ!」


ルイはルカに切りかかった。


しかしルカはあっさりと避けると、ルイの首を軽くつかんだ。


「ぐっ……離せ……」


ジタバタしながら、剣をがむしゃらに振るルイ。


しかし、ルカはあっさりとルイの剣を払った。


「さて。アンタを拘束します」


と、手錠を取り出すルカ。


その瞬間、ルイは地面に灰色の球を叩きつけた。


それと同時に、けたたましい量の煙が球から吹き出る。


「煙玉……?」
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