Dangereuses hospital
気が済むまで俺の傷口を嬲った後、犯人はゆっくりと俺のそばを通り過ぎる。

そして手術台のハルカの傍らへ。

「これが何か分かるか?」

犯人は、注射器を手にしていた。

「メタンフェタミンだ」

メタンフェタミン。

強い中枢神経興奮作用をもつ薬品。

俗に言う覚醒剤である。

ここが病院である以上、メタンフェタミンが置いてあっても不思議ではない。

犯人も薬品保管室でこれを入手したのだろう。

…彼はそのメタンフェタミンの入った注射器を、拘束されたままのハルカの腕に近づける。

「な、何を!?」

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