青春ビート
















「――……はい、出来た。」


ポンと叩いて立ち上がる


「……ありがとう」

ぶっきらぼうなその言い方に笑みが零れた

救急箱を元の場所に戻して男の方に顔をむける


「じゃぁ 帰るから、今日はもう寝なさい」

若干発言が母親のような気もする


男は顔を伏せていてなにも言う気配がないため
それだけ言って玄関へ向かう


(さて、遅くなったけど帰ったら晩御飯でも食べようか…)


ドアに手を掛けると

後ろからちょっとたどたどした足音がして
「…今度お礼する……」

とボソッと言った


ちょっと振り返って
「別にいいよ、手当てくらい。無理やりしただけだしね」










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