【バーチャルメーカー★博士と助手のとんだ1日】

『違う!違う!!違う!!!』

『これはどうだ!』


今度は巨大な鮫の襲来だ!

『嗚呼、ナタリーちゃ~ん!』

博士の行動は、もはや
イントロクイズの出題者の様に
なっていた。

その後も恐竜が現れたり、

ガンマンとインディアンが
現れたり…

53枚あったCDが残るは
3枚となっていた。

この数十分間の間に博士は
様々な者達を世に送り出した。

残るは3枚。

その中には地球滅亡を
描いた映画のサントラも
含まれている…。

『アレを引いたら一貫の
終わりだ!
さて、どうしたものか…。』

今まで選ば無かったのも
奇跡だ。

まるで爆発物処理班の気分だ!

博士の額に脂汗が滲む‥


その頃、サミュエルは
殆ど力尽きようとしていた。


草むらに倒れ込む彼の
周囲をぐるりとゾンビ達が
取り囲んでいた。


『もう‥ダメ‥です‥
はか‥せ‥。ゼハーゼハーゼハー』


博士は3枚のCDを並べると
その上で指を幾度も往復
させた。

決められない!

人類の…地球の運命が
かかっているのだ!

考えあぐねた末に、
意を決して、とうとう博士は
一枚のCDを選んだ。


女神が微笑むのか、悪魔が
嘲笑うのか、全ては博士の
一本の指にかかっていた。


『これで‥どうじゃ!』


< 14 / 20 >

この作品をシェア

pagetop