street love
ここで話を変えて
あずさが喋る。


「あ、美波?」

「何?どうしたの」

「突然だけど、美波って今まで家庭教師雇った事ある?」

「え?家庭…教師?ないけど」

「実は何か、私ん家に今日から来るの」

嫌そうな顔で、あずさは言う。

「そーなのぉ…で、どんな人?」

「分かんない。週2回で数学と英語やるらしいの。もーヤダよ」

「でもいい感じの人だといいね」

「どうかな」

「あっけどさ。カッコイイ男の人だったらいいよねぇ」

「えーそんなの有り得ない気がする。いかにも勉強ばかりやってますって感じの人だよ」

「かなぁ…あっ男の人とは限らない。女の人かもしれないよ」

「どちらにしても今日、家に帰るのは気が引ける」

確かに好きでもない勉強をわざわざ知らない誰かに教えてもらうなんて余り気乗りしない。
どんな人かにもよるけれど
あずさの先生になる人は、どんな人だろうか?

「どんな人だったか明日教えてよね」

「美波、何か期待してる?余り期待しない方がいいかもよ」

「分かってるよ。けど期待してないと案外いい人だったりするんだよね」
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