ミッドナイト・スクール
……もちろん、信二も満更ではなかった。魅奈の容姿の良さが折り紙付きである事は、信二も認めていたし、性格の良さも申し分ない。
ただ一つ、不安があるとするならば、それは彼女は人気者であり、信二は特に目立つ存在ではないという事だ。和哉という人気者の側にいるせいか、女の子の友達は多い方だ。しかし、仲が良いだけであって、特別にもてるという訳ではない。
実際の所、信二は今までに女の子と深い関係はおろか、手をつないだりした事すらもない。平和で単調な毎日を送って来た信二にとっては、恋愛というものは未知の世界、自分には当分関係のないものだと思っていたのだ。心の奥底では、女の子と付き合いたいという、誰もが持つ感情を抱いている。だが、そう思った相手の女の子は大の人気者なのだ。自分とは違う世界の人……誰にでも優しくて、明るくて、元気な女の子。ライバルもたくさんいる。いや、それ以前に、彼女に相手にされる筈がない。魅奈に彼氏がいないなんて事があるだろうか?
次々と疑問が沸いて来る為に、信二の心は常に揺れていた。信二は性格的に魅奈と似ている。だから、仲の良い友人関係にはすんなりとなれた。しかし、友達の一線は越えられない。せっかくの今の良い関係が、崩れてしまう事を何よりも恐れた。
そんなお互いの勇気のなさは、二人を恋人向士にする事を許さなかった。
「あのさ、魅奈ちゃん」
「えっ、はっ、はい?」
考え事をしていた魅奈は、信二が目の前に立っているのに気づかなかった。
「何ですか?」
ドキリとした魅奈は直ぐに笑顔で答える。
《まさか、こんな時に告白って事はないよね》
一瞬、場違いな事を期待してしまう自分を戒めるように、魅奈は後ろ手でお尻をつねる。
「いや……その、ちょっとトイレに行きたくなってさ」
あまりにもムードのない話題だった。
「あ、はい」
拍子抜けして答える魅奈。
ただ一つ、不安があるとするならば、それは彼女は人気者であり、信二は特に目立つ存在ではないという事だ。和哉という人気者の側にいるせいか、女の子の友達は多い方だ。しかし、仲が良いだけであって、特別にもてるという訳ではない。
実際の所、信二は今までに女の子と深い関係はおろか、手をつないだりした事すらもない。平和で単調な毎日を送って来た信二にとっては、恋愛というものは未知の世界、自分には当分関係のないものだと思っていたのだ。心の奥底では、女の子と付き合いたいという、誰もが持つ感情を抱いている。だが、そう思った相手の女の子は大の人気者なのだ。自分とは違う世界の人……誰にでも優しくて、明るくて、元気な女の子。ライバルもたくさんいる。いや、それ以前に、彼女に相手にされる筈がない。魅奈に彼氏がいないなんて事があるだろうか?
次々と疑問が沸いて来る為に、信二の心は常に揺れていた。信二は性格的に魅奈と似ている。だから、仲の良い友人関係にはすんなりとなれた。しかし、友達の一線は越えられない。せっかくの今の良い関係が、崩れてしまう事を何よりも恐れた。
そんなお互いの勇気のなさは、二人を恋人向士にする事を許さなかった。
「あのさ、魅奈ちゃん」
「えっ、はっ、はい?」
考え事をしていた魅奈は、信二が目の前に立っているのに気づかなかった。
「何ですか?」
ドキリとした魅奈は直ぐに笑顔で答える。
《まさか、こんな時に告白って事はないよね》
一瞬、場違いな事を期待してしまう自分を戒めるように、魅奈は後ろ手でお尻をつねる。
「いや……その、ちょっとトイレに行きたくなってさ」
あまりにもムードのない話題だった。
「あ、はい」
拍子抜けして答える魅奈。