ミッドナイト・スクール
「ちょっとトイレ行って来るから、ここで待っててくれる?」
「えっ、そ、そんな」
突然の信二の提案に驚く魅奈だった。
「嫌ですよお。こんな所に残っていたら万が一の時に逃げられないじゃないですか」
「うーん、それもそうなんだけど……」
「私も行きます」
「わ、わかった」
実の所、魅奈も先程から尿意をもよおして来ている。だが、女性にとって『トイレ』という言葉は、男 ( 好きな人 ) の前では禁句に近いものがある。ましてこの非常時だ。
ドアの隙聞から廊下の様子を窺った信二は、廊下に何も異常がない事を修認すると先に魅奈を廊下に出して、直ぐに自分もスルリと滑り出た。
廊下は相変わらず静まり返っている。見た感じ何も変わった所はない。非常灯の明かりは、薄暗い廊下では月の光よりも頼りなく思えた、
まもなく十時になろうとしている。行動を開始してから三十分が経とうとしている。し
かし地理室には誰も帰って来ない。
皆、少し時間がかかり過ぎているようにも思えたが、慎重に行動していると考えれば大した事ない問題かとも思った。
「行こうか」
ドアを丁寧に閉めると、信二は廊下を歩きだした。
「あっ、待って下さい」
慌てて後ろから魅奈が走り寄り、腕にしがみつく。
「信二先輩、怖くないんですか?」
震える魅奈は信二の目を見上げて問う。
軽く咳払いをすると、信二はゆっくりと答える。
「怖いさ。訳のわからない怪物がウロウロしているんだからね。ただ無事に脱出する為には取り乱さないようにしなくちゃいけない。自分の身は自分で守らなきゃならないからね」
落ち着いて答える信二だったが、声はやや震えていた。
「私とても怖い。本当は直ぐにでも逃げ出したいけど、何だかもう逃げられないような……そんな嫌な予感がする」
「えっ、そ、そんな」
突然の信二の提案に驚く魅奈だった。
「嫌ですよお。こんな所に残っていたら万が一の時に逃げられないじゃないですか」
「うーん、それもそうなんだけど……」
「私も行きます」
「わ、わかった」
実の所、魅奈も先程から尿意をもよおして来ている。だが、女性にとって『トイレ』という言葉は、男 ( 好きな人 ) の前では禁句に近いものがある。ましてこの非常時だ。
ドアの隙聞から廊下の様子を窺った信二は、廊下に何も異常がない事を修認すると先に魅奈を廊下に出して、直ぐに自分もスルリと滑り出た。
廊下は相変わらず静まり返っている。見た感じ何も変わった所はない。非常灯の明かりは、薄暗い廊下では月の光よりも頼りなく思えた、
まもなく十時になろうとしている。行動を開始してから三十分が経とうとしている。し
かし地理室には誰も帰って来ない。
皆、少し時間がかかり過ぎているようにも思えたが、慎重に行動していると考えれば大した事ない問題かとも思った。
「行こうか」
ドアを丁寧に閉めると、信二は廊下を歩きだした。
「あっ、待って下さい」
慌てて後ろから魅奈が走り寄り、腕にしがみつく。
「信二先輩、怖くないんですか?」
震える魅奈は信二の目を見上げて問う。
軽く咳払いをすると、信二はゆっくりと答える。
「怖いさ。訳のわからない怪物がウロウロしているんだからね。ただ無事に脱出する為には取り乱さないようにしなくちゃいけない。自分の身は自分で守らなきゃならないからね」
落ち着いて答える信二だったが、声はやや震えていた。
「私とても怖い。本当は直ぐにでも逃げ出したいけど、何だかもう逃げられないような……そんな嫌な予感がする」