呪 い サ イ ト
「どうして!? どうしてそう思えるの!? 谷村の名前を書き込んだ翌日に、谷村は死んだんだよ!? 偶然に思える?! 偶然なわけないっ!! 夏紀が……夏紀が殺したんだっ!!!」
梓に対し真里はひどく興奮していて、調理室中に響き渡るような声で怒鳴る。それはまるで、昨日のウチのよう。
―――真里、酷い……! こんな子だとは思わなかった……! 親友のウチを、人殺し扱いするなんて! 最低……っ!
けど、もう絶交したのだった。親友なんてもっての他、友達すらでもない……。
「―――え。何々?」
「ん? 喧嘩か?」
「やだぁ、喧嘩よー」
クラスメイトは口々に話し始める。幸い話の内容までは聞こえていないようで安心した。
ウチが”調理室中に響き渡る声”と思ったのは、近くにいてそれ程までの大声に聞こえたからだろう。他の生徒達はテーブルのまわりにいて、真里や梓そしてウチのまわりには誰もいなかった。実際にはそれ程大きな声でもなく、興奮しすぎて何と言っているかわからなかったんだと思う。
内容を知られては困るし、梓まであのサイトに書き込んだ意味がなくなってしまう。
「早く作らないと、試食の時間がなくなりますよ~!」
真里と梓のことに気付いていない教師の一声で、クラスメイト達は作業に戻った。
「……もうすぐ。もうすぐね。もうすぐ始まるわ、実行が……」
一番後ろのオーブンの温度調整をしながらにやりと笑い、真里と梓を眺める謎の少女がいた。
谷村が死んだ事故現場にもいた、黒髪に眼鏡の地味で暗そうなあの少女……。