呪 い サ イ ト

「真里最低だね……。こんな子とは思わなかったよ……! 酷い……本当に酷い! 酷すぎるよ?」


 梓はウチの代わりに、何でも言ってくれている。まるでウチの思っていることが、伝わっているようった。もしくはウチの思っていることそのものが、梓の思っていることになっているのか。どちらにしろ、不思議なのには変わりなかった。


「酷いのも、最低なのも夏紀じゃん!! 夏紀は人殺し!! 誰がなんと言おうと、絶対に……!! 夏紀は人殺しっ!!!」


 心の硝子が割れる音を、確かにウチは聞いた。大好きだった元親友からの、この言われようはさすがに辛い。涙が一筋、頬をつたって流れた。

 突然、梓の目つきが変わる。まるで何かが宿ったように、殺気で満ちていた。多重人格の人もこんな風になるのだろうか、と違う視点で物事を考えていた。


「……真里。あんたさぁ、いっぺん死ね。死ねよ、最低女!!」


 梓は近くで乾かしてあった、果物用の鋭利なナイフを手に取った。今日の調理実習で使う予定のものだ。
 柄をしっかりと掴む。刃先が鈍く光った。

 梓はもう、梓ではなくなっていた。梓の外見をしているだけで、中身は別人。話し方まで変わっている。


「あんたなんか……真里なんか、死んじゃええぇぇえええぇぇっ!!!」


 梓は目を見開き、真里にナイフを大きく振りかざした。
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