先生or生徒?!
あれから一週間ちょっと。
今日は春らしい、暖かな日曜日。
「……ありえねぇ」
それなのに、春には不釣り合いな声が…。
圭の不満が漏れている場所は、……圭の車内。
助手席にわたしが乗っているのは自然なんだけど…。
後部席には、ユリちゃんと彼氏さんが乗っていて。
…さっきからイチャつきまくっている。
「圭が言ったんだからね、乗せてくって……」
「後ろの二人も、とは言ってない」
横目で圭を見ながら呟いたわたし。
圭は言葉は返してくれたけど、目は合わせようとしない。
……よほど、怒ってるんだな。
「長崎先生、ごめんねぇ? タクヤまで一緒でぇ」
ユリちゃんは、身を乗り出して圭に言った。
『タクヤ』とは、ユリちゃんの彼氏。
噂通り、不良の臭い漂う男性がユリちゃんと指を絡ませている。
「まぢ、わるいっす!」
タクヤさんは悪いなんて思ってないみたい。
声のトーンからして、おかしいもん。
「お前ら、わかってんならなぁ…」
「あああ! そういえばさぁ」
わざとらしくてもいい!
喧嘩だけはしないでっ。
仲良くしてくれぇ。
わたしはそんな願いを込めて言った。
「圭、まだ変装してないね!」