if Infinity

がっこうまでいこう

コンコンッ


部屋のドアをノックする音と共に姿を現す少女。


「兄さん?今日から学校なんだから早く起きないと遅刻だよ?」


こいつは坂内 ひな、血はつながってないが俺の妹だ。


既に制服に着替えているひなは眉をよせ、未だに布団を被っている俺を睨みつけている。


「止めるな、妹よ!兄さんは今日から、この愛する我が家を守護すべく、四六時中家の中で過ごすつもりだ!」


その言葉を聞いたひなが眉を吊り上げ布団を引っぺがそうと手をかけて言う。


「な、何バカなこと言ってるのよ! い・い・か・らぁ~起きなさいよっ!」


「よ、よせ!兄さんはこの布団が大好きなんだぁ~」


「こ、子供みたいな事言ってないで、さっさと起きるっ!」


布団にしがみついていた俺は、ひなによって床に転がり落ちる。


「ぐぇ」


「まったく、入学初日から何引きこもり宣言してんだか」


顔に手を当て、床に這いつくばっている俺をまるで汚物でも見るかのように指の隙間から見ているひな。


「今日からお母さん達いないんだから、兄さんもしっかりしてよね!?」


そう、今日から両親は海外家を空けることになっている。


詳しい話は右から左へ受け流したのでわからないが、父の海外赴任でそれに母も付いて行く形となっているそうだ。











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