もう1人のボク
「希更くん、とりあえず今はこのコのことを先に」

「あっ、そうだった!」

門馬さんと希更さんは、他の警察官の人と一緒に女の子に近付いた。

「ね、陽日。あの刑事さん達と知り合いなの?」

「あっ…。あの女の人、希更さんって言うんだけど、僕の従姉なんだ」

コレはウソ。

でも誰か知り合いの人に会った時には、こういうウソを言うことを希更さんと決めていた。

「ハルくん、神代くん。悪いケド、ちょっと署の方でお話聞かせてくれる?」

「あっ、はい」

「分かりました」

…とんでもないことになったな。

でもちょっと気になることがある。

「希更さん、その前にトイレいいですか?」

「ええ、どうぞ」

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