ゆずいろ
沈黙が嫌いな私は口を開く。
「あのさっ!!そういえば初めて話すよねっ?」
私が涼にそう言うと、涼は少し表情を固めた……というよりいじけた…?
「……ちげーよ。」
「えっ?」
涼は耳を掻いた。
「てか、花火大会俺も行く。柚衣…行かないのか?」
え?さっきから何が言いたいの??
急に有香が状況を理解したようにニヤニヤ笑いながら口を開く。
「涼君って意外と意外なんだねぇ~ゆずたん行きなよ~。てか私トイレ行くねぇ。」
そういうと足早に去る有香。
有香、意味不明だよ。どうしていいの??分かんないよー!有香の薄情者~~!
私もトイレに逃げ込みたかった。
「柚衣?浴衣着てな!!じゃぁっ。」
涼はそんな私を気にもせずに言い去った。
私は何をするることのないまま、五時限目の始まりのチャイムを聞いた。