黒の生け贄。〜悪魔は笑う〜
昼に再び目を覚まし、鞄を肩に掛けて僕は家を出た。




まず、第一現場の土生港に行くことにした。僕の家から徒歩で15分ぐらいの距離だから歩くことにする。





歩いている時に知り合いに会うと何かと面倒臭いから辺りを見渡しながら歩いた。





左手から海の海面がギラギラと太陽の光を吸収して光ってるのが見えた。





港が見えてきたのと同時に潮の匂いが僕の鼻を刺激した。向こうの島に渡るために高速船が止まっており、向こうの島に行くにはこの高速船に乗るしかないのだ。
まったく田舎は不便なもんだと思いながら高速船を横目で見ながらその場を離れた。





それから、50メール先に公衆トイレが見えた。
公衆トイレは海の幸という公園の中にある。昔はよく亜美と砂場で遊んだことを思い出す。事件が起こる前は老人がここでよくゲートボールをしていたのだか、今は、殺人現場となったため誰も立ち寄らなくなったらしい。





だけど、僕にとっては好都合と言ってもいい、人が居たら楽しみにくいからだ。




僕は事件が起きた公衆トイレに入り、伊瀬木ノ 一が遺体として発見された入口から三番目の洋式トイレのドアノブに手を掛けてドアを開けた。





首を絞められて亡くなったため、血痕がないのが当たり前だし、あったとしても警察が洗い流すだろう。だか、争った形跡すらないのは多分、違う所で殺されてこの公衆トイレに死体を置いたのだろう。





僕はトイレの便座に座り目を閉じてその時の現場を想像してみるがこの場所で殺されていないためか想像力が沸かないため全然楽しくない。





僕は公衆トイレを出て次の事件現場に行く事にした。

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