SleepingBeauti
今日に限っては、みずきが助手席に座っている。

みずきの家まで、ナビをしてもらわないといけないということもあったが、何よりも、河内百合が自発的に後部座席のほうに進んだからだった。

みずきは、河内百合の行動をみて、助手席に座った。

河内百合は、ぼくがみずきを送ることを予想していたのだと思う。

駐車場で、みずきを連れたぼくをみても、顔色一つ変えなかったのだから。

当然、みずきのほうは驚いた表情を隠せずにいた。

戸惑っているみずきに、声をかけたのも当然、河内百合だった。

「会社が一緒だから、白川くんには送迎をお願いしているの」と、のぞみのことを一切触れず、みずきに遠慮しなくてすむように。

遠慮だけでは、なく、ただの同僚だからって、意味もあったのかも知れない。
< 113 / 200 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop