SleepingBeauti
こんなにも、いきいきした母を見れるとはおもいもしなかった。

のぞみと二人で、台所に立ち料理を作っている。

誰と誰が親子なのか、息子であるはずのぼくが疑うくらいだ。

それにしても、のぞみの甘え上手も、ここまでくれば才能としかいいようがない。

まったくもって、ぼくは本当に素直になれない。

だからこそ、ぼくは、感情が豊かで、誰とでも隔たりなく打ち解ける、のぞみがうらやましくて、しかたなくて、そして、惹かれる。

姉が出来なかったことを、のぞみが叶えてくれてるようで、涙がでそうで、だから、ぼくは寝たふりをしよう。

二人の邪魔をしないように、そっと、瞼をとじて。
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