SleepingBeauti
のぞみから少し遅れて店をでると、のぞみは苛立っていた。

「何してたの?」尖りのある口調で言った。

「支払いだけど」当たり前のようにぼくは言った。

ぼくらの都合で、無銭飲食を許してくれるほど、世の中はあまくないのだ。

のぞみのご都合主義も、通用しない。

それでも、のぞみは焦っていたようだった。

「走るよ」そういうと、同時に走り始めていた。

ぼくはそのあとをついていく。

河内百合がどこに向かったのか、皆目見当がつかない。

だいたい、河内百合の問題が何なのかすらわからなければ、今、追いかけることが、本当に正しいのかすら、わからなかった。

すくなくとも、河内百合は、追いかけてきてほしくないはずだ。

逃げ出すように、でて行ったのだから。

それでも、のぞみは、自分の責任を感じて、何がなんだかわからなくても、追いかけているのだろう。

罪をおかしたのだから、償おうとして。
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