SleepingBeauti
今にも泣きだしそうな、みずきをまえにして、何をどう答えるべきか、考える。

河内百合は、ぼくのせいでやめたのは、事実だけど、理由は二股なんかじゃない。

同棲はしているけれど、彼女では、ない。

この事実をみずきが納得するように答えるには、どう伝えるべきか、わからなかった。

だから、だからぼくは曖昧なことでも、たしかな事実を答えるしか出来なかった。

「彼女はいないよ、だから二股なんか、かけようもない」

「そうですよね」みずきは言って仕事に戻る。

なんだか、傷ついた。

みずきの中では、ぼくには一生彼女ができないと思っているような気がして、なんだか、傷ついた。

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