SleepingBeauti
それでも、のぞみは何一つ言葉でもはっしなければ顔にだすこともなかった。

プライバシーに極力、関わることをしない。

それが、のぞみである。

それに、のぞみもプライバシーにふれらたくない思いもあり、ぼくがのぞみのプライバシーを侵害することを避けていたのかも知れない。

喉から出かかる言葉をお互いが押し殺していたようにも思えた。

それでも、今は、このままで、ぼくはいいと思っている。

少しづつ、お互いの何層にも張り巡らしている壁をゆっくりと壊していけばいい。

あせらず、ゆっくりと、近づいていければいいのだと、ぼくは思っている。

ただの弱虫の言い訳だと気付いているのだけど…………このままでいたいから。
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