SleepingBeauti
隣に座る河内百合を見る。やっぱりこの場所に似つかわしくなかった。

この喫煙室じゃなく、すべてのモノが機械じみた空間に河内百合は似つかわしくない。

「ねえ、白川くん。三浦さんは、どうしてるの?」

「さあ?テレビでもみてるんじゃないかな、多分だけど」

「そう」

そう言うと、河内百合は沈黙した。

沈黙と言うよりは、次に何を話そうか思案しているように思えた。

それは、ぼくも同じで、何を話せばいいのかわからなかった。

だから、ぼくものぞみの話しをするしかなかった。

出勤一時間前の、のぞみとの会話。

性格には、伝言なのだけど。
< 94 / 200 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop