SleepingBeauti
やもえず、ぼくは携帯をのぞみに手渡した。

なぜなら、のぞみの伝言は、ぼくの口から言える内容では、なかった。

「優の口から伝えられるならいいけど、河内さんに生理用品をぼくの代わりに買ってなんて、言える?」

「………言えない」

言えるわけがない。

普通の会話すらままならいぼくに、そんな女性のデリケートなことなど口に出せるわけがない。

いたずらぽく言ったのぞみが小憎ったらしくみえた。
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