歌織物~百人一首をお題にした詩集
忘らるる 身をば思はず 誓ひてし
人の命の 惜しくもあるかな
右近(38番)
あなたの命が散るときに
わたしがそこにないのが、つらいの
道が別れてしまったら
あなたの運命の行き先を見ることもない
あなたがどれほどの悲しみにくれ
わたしがどれほど苦しんだか
お互い知る術もなく
それぞれの道を行く
わたしたちの命はもう
ふれ合うことはない
命がふれ合わなければ
新しい命がうまれることも、ない