王子様は生徒会長
ゴンッ!

その瞬間、鈍い音がしてチャラ男の頭に何かがぶつかった。

「いってぇー!!」
チャラ男の頭に当たって落ちた物を見てみると・・

『紅茶華伝』
と書かれている。
有名な会社のミルクティーの名前だ。
ん?ミルクティー?
まさか・・

「友達も一緒にってか?じゃあ俺もついて行ってもいいわけ?」
「せっ!生徒会長!!」
「生徒会長サンですかぁ?邪魔しないでいただけると嬉しいなぁ・・」

その瞬間だった----

チャラ男が顔を上げて生徒会長の顔を見た瞬間、
チャラ男の表情が凍った。

「草野・・籠牝・・」

え!?
なんでこのチャラ男、生徒会長の名前知ってるの?

「次、コイツに手ぇ出したらタダじゃぁおかねぇから」
なんですか!?
知り合い?
「す・・すいませんでしたぁぁぁ!!」
そう言ってチャラ男達は全速力で逃げていった。

呆然とする私に生徒会長は、
「あ~あ・・。アイツらのせいで紅茶が台無しだよ・・」
と、ヘコんだ紅茶の缶を見ながら呟く。
「1人にさせて、悪かったな・・」
「別にいいよ!!生徒会長、助けに来てくれたし、ね?」
「じゃあ、チャラ男とじゃなく、俺とカラオケ行く?」
「・・うんっ!!」


一見、端からみたら恋人っぽく見えている私達の後をつけている人がいるなんて、これっぽっちも思ってはいなかった----
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