★バレンタインの奇跡★
swing, swing, between two guys...


「溝端君っ!」

授業が終わった後、帰ろうとする彼を由加里が引き止めた。

「?」

彼は不思議そうな顔をしながら立ち止まる。

「あの、さっきはホントありがとう。」

あたしは由加里に引っ張られ、とりあえずもう一度お礼を言った。

「あぁ、別に大したコトしてないし。いいよ、そんな気にしなくて。」

そう言って去って行きそうになる彼を、由加里がまた引き止める。

「あの、せめてお礼させてよ。溝端君がいなきゃヤバかったしさ、ね?」

「いいよ、そんなの。」

「よくないっ!」


由加里の剣幕に、軽く呆気にとられた彼は、その後笑った。

ヤバい、心臓がドキドキ音をたてる。


「そこまで言うなら(笑)」


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