かんのれあ
そして、色んな作家さんに会っては、名刺交換をしたりした。


気さくな人、
寡黙な人、
明るい人―――



中には、
「新刊楽しみにしてます」

と言いながら
目が笑っていない人や、


お互いがいない所で、悪口を言い合う作家さんたちも見かけて、

そこはほんの少しの失言や失敗も、許されない世界だと思った。




息苦しさに堪えられなくてトイレへ逃げ込むと、

そこでもやはり、誰かの陰口が叩かれていた。



「――…鏡華さんてさ――…」



身近というか、唯一顔を知っている人の名前が出て、

思わずあたしは息を潜める。
< 125 / 200 >

この作品をシェア

pagetop