かんのれあ
「―――…最近目立たないよね―――連載つまんない――」


声が小さくて聞こえにくいけど、何を言ってるかは大体わかる。


「―――今までは編集のプッシュでしょ――今のが実力」


「だよね――――落ちぶれっぷりに、うちの担当も哀れんでて(笑)―――」




そして、その二人は
鏡華さんの連載がだんだん雑誌の後ろに追いやられている事、

ネットでは打ち切りが騒がれている事、

鏡華さんの話題性は、他の新人のそれに最近上書きされつつある事、

編集部もそれを認めている事―――


など、
他にも色んな話をすると、

二人は溜まっていた毒を吐ききったと言わんばかりに、

すっきりした様子で出て行った。


そしてきっと、

何事もなかったかのように、会場へ戻るのだろう。
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