かんのれあ
けどここを譲らないと、河野さんに認められる作品は出来ないかもしれない。


でもでも、自分で好きじゃないものを書いても、面白い物が書けるわけがないし……。


どうしたものかと悩んでいると、俊一が「そんな気になるの?」と、しかめっ面で聞いてくる。


声の調子から、顔が言うほど不機嫌ではなさそうだ。


あたしが「気になる」と真面目な顔で頷くと、

俊一は自分の部屋から何タイトルかのコミックスを持ってきて、乱暴にあたしに押し付けた。
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