かんのれあ
「まず人間関係が複雑すぎる。

その上、出てくるキャラのほとんどに、辛い過去とか難しい設定があるから、無理矢理取ってつけたみたいになってる。

リアリティがないなんて、かんのさんらしくないじゃん。どうした」


ドキっとした。


あたしが先の読めないような設定を、無理矢理作ったのがバレバレだったから。


「すみません…。
面白い作品って何だろうって、弟の漫画借りて読んだんです。

で、自分なりに、先が気になることが一番の面白さなんじゃないかなって。

それで先の読めない設定をって思って……」


あたしがもごもごと言っていると、河野さんは

「それにしたって、これは冷静に考えれば無理だってわかるでしょう?」

と、相変わらず強い口調のままで、あたしはつい悲しくなってきてしまった。
< 66 / 200 >

この作品をシェア

pagetop