委員長が泣いた日(短編)
それは、といいかけて慌てて口をつぐんだ。
多分いま完璧主義者の委員長はかなりナイーブだろう。
きっと硝子のハートの持ち主で、竹のように繊細で
また笑いたくなった感情をまた必死に圧し殺して委員長を見上げてニヤリと笑った。
「俺って本当になんも出来ない委員長だよな」
そのナイーブ(か細い)な声は彼から吐かれたとは、現状を知らない他の人が聞いたらわからないだろう。
また泣きそうな顔をした委員長をの目をジッと見つめると、委員長は目頭に手を当てた。
「泣いた」
「わかってる」
「ねえどうしたの?」
泣いてる委員長が見たくて、出来れば携帯で写真を撮りたくて委員長の腕に触れるとすぐ委員長の嗚咽が聞こえた。
全く、いくら泣けば気が済むのか
「先生も親も期待してくれてて、期待には応えたのに、それ以上の期待を要求されて
自分のことは完璧なのに、他のことはどうにもならない時があって、
委員長としてクラスをまとめないといけないのに掃除の一つもさせられない」
聞いて私はげんなりした。
本当に委員長らしい考え方だ。余計なことは言わんでいいってば