【完】スマイリー☆症候群



「あ。まさか先生、幽霊か何かに襲われたとか?」

「えー! そうなのー?」


ちょ、おい! やめろよ……!

どうしようもなく気まずくて、今すぐにでもその話題から話を逸らしたいというのに……。

最悪なことに、奴の頭にできたこぶに興味をもった奴等は、続々と白取に質問を投げ掛ける。


「……いや、幽霊じゃない。あれは絶対、実体がある生き物だった」


嗚呼、やべぇ。なんだか今、無性に泣きたい気分なんですけど。


「それで、今日の朝めちゃくちゃ考えてたんだけどな……」


どうしよう。どうしよう。どうしよう。


「先生、わかっちゃったんだよ。その正体が一体何物だったか。あの声は、きっと――」


奴が次に発言する言葉がどうしようもなく俺を焦らせて、思考回路が回らない。

この後に来る言葉に恐怖を確信した俺は、凄まじい勢いで耳を塞ぐ。

そして、風見以外の怪談メンバーも、物凄い形相で頭を抱えた。

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