【完】スマイリー☆症候群
「国歌斉唱」
次に放たれた言葉。それに、俺は圧倒されてしまった。
そこまで本格的な行事だとは思ってもみなかった俺は、どこまでもついていけなくなる。
その瞬間、前奏の音色が不意に右耳の鼓膜に伝わってきた。
「きーみーがーあーよーおーはー……」
あり得ない突然の演奏を不思議に思い音源を探すと、グラウンドの右端に、万全の体勢で佇む吹奏楽部の姿。
演奏に合わせ、奴等はその可笑しな状況に一切触れないで、清々しく斉唱する。
お前は一体、どんな国家権力を使ったというのだ、望月。
「それでは、プログラムに移行します。プログラム1番、6×200メートルリレー。競技に出場する選手は入場門まで集まってください」