【完】スマイリー☆症候群
「……くそっ」
舞い上がる砂埃に混じり、山田の声が小さく漏れる。
それから山田は拳に力を込めると、少しずつ立ち上がり前を見据えた。
「山田ーっ!」
「山田くん!」
「行けェ、山田!」
奴がもう一度走り出したその瞬間、グラウンドを取り巻く山田コール。
怪我をした筈の脚を懸命に上げる山田に、皆の心が1つになったのだ。
「頑張れ、あと少しだぞ山田!」
そんなエールを、俺も皆と一緒になって叫んだ。
「望月ー!」
「山田ー!」
パシッっと響く音と共に、次の走者である望月にバトンが渡る。
前を走る生徒達をジッと見る望月の眼は、いつもとは打って変わって真剣そのもの。
まるで、獲物を捕らえるハンターのような鋭い眼だ。