太陽はいつも雲の上で照り輝いている
《六章》花も草木も生き方を迷わない
朝、目が覚めると、お父が居ない…

『おはようーお父は?』

『庭の手入れしてるんやないかな?』

外に出ると、僕の愛犬のいぶきとベルが、お父と戯れていた

『散歩してきたんか』

『お前が出てからは、日課やからなぁ〜毎日散歩してても、お前が居たら、見向きもせんな』

愛犬は、僕の顔を見ると、お父を差し置いて僕に尻尾をふりじゃれてくる

『さぁて、行く準備するか』

内視鏡切除とあって、当日まで家でのんびり
お父が絶食で今から闘いの場所に行く

僕も、母も、お茶を飲む程度で家を出た


『さっさと綺麗にとってもらって、たまには呑みにいこかつとむ』

『せやなぁ、焼き鳥屋でも行って呑もか』

『そういや、つとむとは一度もないな』

僕は、元々あまり呑まないせいか、父とは全くお酒絡みの会話も行動もなかった


昨日からの、お父は、何気なくしてるつもりだが、不安で押しつぶされそうに違いない。あまり言わない言葉、僕に呑みに行こうと言う言葉から………もしかしたらと、、、お父は感じているのかも……

病院につき、一時間ほどして、服も着替えた、父

『ほな、しっかり取ってきてもらうわな』

『まぁ、内視鏡切除やから、すぐ終わるし、取り切ったら大丈夫やしな、お父』

『お父さん、そしたら待ってるから前で』


待ってるから……
母の時に、父が言った台詞だった
繋がっている二人の夫婦愛を感じた
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