連続短編ブログ型小説 『一人暮らしの女』
 母親は 20数年間、自分が喫煙者であることを私たちキョウダイに隠し続けていた。弟はタバコを吸う仲間として、私が知る数年前から母の喫煙を知っていたのだが彼もまた母親がタバコを吸っているということを私に隠していた。母親が 「隠せ」 と言ったのだ。姉はなぜ知ったのか知らないが彼女が知ったのも23、4歳くらいの時だった。私は離れて暮らしているということも手伝って、最後に知る子となった。 子供に喫煙姿を見せることに抵抗があったらしい。 ショックを受けるんじゃないかと思っていてずっと隠していたそうだ。 ちょっと笑えた。なぜ私が知ることになったのかというと、結局弟がしゃべったのだ。 私は22、3歳くらいの頃一時的にタバコを吸っており、私もまた弟にしか言っていなかった。弟は 「ねえちゃんも吸ってんなら言ってもいいかな~、実はさあ・・・」 と、私に母の秘密をバラした。 よく20数年間も隠し通したもんだと二人で笑った。結局、私もタバコを吸っていると母親に告げ、母親は堂々と私の前でタバコを吸うようになった。母は私にも 私がタバコを吸っていることを父に隠せ、と言った。ショックを受けるから、と。 私も 父親がショックを受けるかもしれないと思い、隠した。しかし結局バレることとなる。また弟がしゃべったのだ。
< 3 / 5 >

この作品をシェア

pagetop