【完】不良な君の甘い蜜
「もしかして…思い出した?」



私は腹を括って尋ねる。すると、ミツは真剣な顔つきで私を見つめた。



「知らん!お前が何ば隠しとるかなんか思い当たらんし。」



「………へ?」



じゃあ、大事な話って一体…?



「八重が俺と過去に何かあったっていうのはあん言葉ば聞いて分かった。ホントはそれが何か知りたかよ?

ばってん、それで八重と気まずくなるんは嫌や。俺は八重ば特別に思っとるけん。過去とか知らん!…それじゃダメ?」



どこまでも優しい、だけど突き抜けるような真っ直ぐなミツの黒い瞳に私はまた涙腺が擽られた。
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