白と青の境界線
引っ張られる腕が痛い。
走る速度に足がもつれそう。
「待って!!」
閑散とした街に響く声。
その場に立ち止まり、振り向く昌浩くん。
「早くて着いていけない」
「あっ、ごめん。ま……伶耶が捕まえるだろうし、ゆっくり行こうか」
そこで手渡されたコートを着て、そのまま繋がれた手に連れられ、人もまばらな歩道を歩きだす。
何だか無性に泣きたい気分。
痛みは引かない。
苦しくて苦しくて、夜の闇に消え入りたくなってくる。
「日向ちゃんと何があったか知らないけど……彼女の言葉に嘘なんかないと思うよ」
「……そんなこと」
分かってる。
過去に囚われて人を信じることが怖くなっているだけなんだって、そんなこと……。
「本当は思ってない」